第18 回 高橋物産株式会社 木下 祐治さん


「通信販売に終りはない」


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今回は、札幌市民の台所、札幌市中央卸売場外市場の老舗で道内農産物やカニ、うに、いくらなど海産物を販売する「海鮮市場北のグルメ」、海鮮料理を楽しめる「海鮮食堂北のグルメ亭」を経営している高橋物産株式会社ダイレクト・マーケティング部、課長の木下祐治さん(38歳)にお話を伺います。
木下課長、よろしくお願いいたします!

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場外市場のお店は札幌市民にも観光客にも人気がありますよね。ところで、木下課長の所属しているダイレクト・マーケティング部はどんなお仕事をしているのですか?

 高橋物産では店頭販売だけでなく通信販売とウェブショッピングもできるようになっています。それにかかわる業務を行っているのがダイレクト・マーケティング部です。通信販売の企画、カタログ作成と発送、電話とFAXでの受注、問い合わせ、ウェブショップの運営などをしています。スタッフは女性12名、男性は僕をふくめて2人しかいないんですよ。

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通信販売に関わることを全部自社で行っているなんて、すごいですね!仕事の流れはどのようなものですか?

 まず、春夏秋冬の年4回、カタログを作ります。今年の夏のカタログは春に企画を立てました。企画を作るメンバーそれぞれが目玉商品を考え、それを持ちよって原価やニーズ、質の良い商品が確保できるかなど様々な側面から話し合って、商品と価格を決定します。これが難しいんですよ。周りの大手の会社さんや通信販売専門会社さんの動向、今年の売れ筋を見極め、自社の価格を決定しなくてはなりません。という訳で、価格設定はぎりぎりまで遅くなります。そこから大急ぎでカタログ作りが始まります。どのような写真が商品の良さを引き出すか、どんな説明文をつけるか、レイアウトはどうするか、色の組み合わせはどうするかなど奥が深い仕事です。お店でお買い物をしてカタログ希望をして下さったお客様やリピーターのお客様へ完成したカタログを発送します。発送して2、3日たつと電話やFAXで注文が入り始め、お客様の配達希望にあわせて商品を梱包し配送業者さんへお渡しします。

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注文を電話で受け付けてくれるなんていいですね。

 通信販売を利用される方は過去にお店でお土産を買った観光客がほとんどで、お土産がおいしかったので電話をしてくれます。40代から60代のお客様が多く、電話で商品説明しながら一緒に選んだりなんてこともあります。「息子が帰ってくるけどこのカニで量的に足りるかしら」「このセットならおまけもついてくるので、3人なら十分足りますよ」なんて具合です。 電話での応対はやはり声だけで相手の気持ちをくみ取らなくてはならいので、非常に気を使っていますね。こちらの話し方も、普通のつもりが無礼という印象を与えてしまってはいけません。 かといって、かしこまったコールセンターのような対応ではなく、市場としての接客イメージを大切にして、元気で気さくであたたかくお答えするようにしています。店頭よりも更に気を使っているかもしれませんね。

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電話をしてくれる人の気持ちも考えて対応スタイルを決めているのですね。 このお仕事の魅力はどういうところにありますか?

 通信販売には終りがないんです。いかに質の良いものをお届けするか。値段が張る分、質はとっても良いものを選んでいますが、やっぱり食べてみなくちゃわかりません。でも本当においしいですよ。それをカタログだけでどう伝えるか。商品知識が必要で、漁師さんのところへ行って勉強したり、自社製品のいくら作りを朝3時から手伝って勉強したり、お店の人と今年の海産物、農産物の出来具合の情報交換もしますし、いろんなチラシ、パンフレットの研究をしますね。新聞折込されてなくて貼ってあるチラシや食品だけでなく服のカタログなんかも見ます。そんな日常の努力を積み重ねて、作ったカタログを発送して、一日中申込み電話が鳴りっぱなしの日が来ると、最高にうれしいですね。

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そのうえFAXでも注文が入るのですよね、梱包も大変そうだなぁ。

 そうなんです、特に冬のシーズンは一年で一番注文が多い時期なので、一気に商品を集めて、スタッフ総動員で朝から晩までひたすら商品を詰めて梱包作業をするなんてこともあります。そうやって頑張って発送したのに悪天候で飛行機が飛ばないなんてこともあるんですよ。悔しいですが天候だけはどうにもなりませんからね。

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木下課長は学校を卒業してからずっとこのお仕事をされているのですか?。

 中標津の高校を卒業して、札幌にあこがれて友達と一緒に札幌のコンピューター専門学校に進学しました。で、そのままコンピューター会社に就職しました。当時は大きなオフコンと呼ばれる機械が主流で、パソコンは超最先端でした。 何年か勤めた後、会社の一員として経営にも関われるような立場で仕事がしたいと思うようになったころ、ちょうどコンピューターを本格的に導入するために専属のエンジニアを求人していた高橋物産に転職したのです。 初めは社内のコンピューター導入、パソコン環境の整備をしていましたが、だいたい整ってくると同時にグルメブームがやってきて、コンピューター担当と法人営業部と顧客担当で新たに通信販売チームを立ち上げることになったのです。配属されて10年経ちましたがまだまだやることがたくさんありますね。通信販売は奥が深いです。  

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コンピューターのお仕事から通信販売だったのですね。これからやりたいことはどんなことですか?

 ずっと現場で必死にやってきましたから、勉強したいと思うようになりました。この会社では、企画から仕入れ、製造、販売と、始めから終わりまで全てにかかわれることが魅力なんです。今までは直感というか、こんな感じでどうだろうというふうにやってきましたが、これからは商品販売に関しての理論なんかも勉強したいと思っています。 おいしいものを食べたら、食卓が明るくなりますよね。通信販売を極めて、うちの商品で全国の食卓を明るくしたいですね。そしてこれからもお客様を大切に長くお付き合いしていきたいです。「毎年贈り物で北のグルメの通販を利用していて、みんな楽しみに待っているから、贈り物のランク下げられないんだよね」という言葉をいただいたりします。通信販売なので直接お会いすることはできませんが、「北のグルメ通販」のファンをどんどん増やしていきたいと思っています。現場へ足を運ぶ回数も増やしていきたいですね。  

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現場や実践も大切、理論的な勉強、知識も大切なのですね。 最後に、読者へのメッセージをお願いします。

 そうだなぁ、「まずやってみよう。実行してみないと何も始まらない。」ということかな。考えて考えて計画を立てることは誰でもできるんですよね。実行することが大切です。失敗したら、原因を考えてやり方を変えればいいわけで、確実に経験になりますからね。僕もそうやってここまできました。 企画とカタログ作りは年4回、10年で40回。単発で一枚もののチラシなんかも作っていますが、全部実行して、数字で検証して、工夫して、また実行して、の繰り返しでここまできました。  

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実行しないと経験にならない。そうですよね。とても勉強になりました。 木下課長、たくさんのお話、ありがとうございました。

【編集後記】
女性12人の中に男性2人。どんな雰囲気で仕事していますか?と聞くと、「コミュニケーションは気ついたことがあれば、すぐ話す、指摘する、かな。職場の雰囲気つくりに冗談も言いますけど・・・繁忙期は女性パートさんがもっと増えますから、なんだか女子高みたいになって僕は男だと思われてないんじゃないですかねぇ」と答える木下課長。女性の視点の大切さを理解し、通信販売に生かす。経営にかかわる一員としての真剣さを感じました。(あきたん)

 


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